ピンバーとは、ヒゲが高値から安値までの値幅の3分の2以上を占め、実体が反対側の3分の1に収まり、そのヒゲがある価格帯を抜いたうえで終値がそこを放棄した1本のローソク足です。名前を付ける前に、この3つを測ります。下の4時間足の例では、値幅1.8に対してヒゲが1.45、つまり81パーセントで、条件を満たします。
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名前を付ける前にヒゲを測る
4時間足が、30.4のサポートへ長い下ヒゲを残して確定しました。高値31.9、安値30.1、始値31.55、終値31.7です。ヒゲが目立つのは見ればわかります。数えてよいかどうかは3つの計測で決まり、どれも価格軸からそのまま読み取れます。
条件1、ヒゲが値幅の3分の2以上を占めること。値幅は31.9から30.1を引いて1.8です。下ヒゲは実体の下端31.55から30.1までの1.45。1.45を1.8で割ると81パーセントになり、67パーセントの線を大きく上回ります。合格です。
条件2、実体がヒゲと反対側の3分の1に収まること。この足の上3分の1は、31.9から0.6を引いた31.3から始まります。実体は31.55から31.7で、すべてその線の上にあります。合格です。値幅の真ん中をまたぐ実体なら、ヒゲがどれだけ長くてもコマ足です。
条件3、ヒゲが価格帯を抜き、終値が元の側に戻っていること。安値30.1は30.4のサポートより0.3下、終値31.7はそこから1.3上です。合格です。価格帯がなければ、条件1と条件2は形を説明しているだけになります。図の右側には、その2つを満たしながら失格になるローソク足が並んでいます。
この基準は、古典的なローソク足の条件より厳しめです。StockChartsのIntroduction to Candlesticksは、ハンマーや流れ星について、ヒゲが実体の2倍以上あることを求めています。実体の2倍だけでは弱いフィルターです。実体が20パーセント、上ヒゲ40パーセント、下ヒゲ40パーセントの足も通ってしまい、それは誰が見てもコマ足です。3分の2の条件と反対側3分の1の条件が、その抜け道を塞ぎます。
5本のローソク足、3本が合格、2本が不合格
条件は、何かを弾くところを見て初めて信用できます。図の右半分には、4時間足をAからEまで5本並べました。同じ30.4のサポートと32.0のレジスタンスに対して描いてあります。それぞれに3つの計測を当てます。AとBは教科書どおりの形、Cは色のフィルターが捨ててしまう形、DとEは長いヒゲが失格になる2通りの理由です。
- A、値幅30.15から31.15、実体31.0から31.1、下ヒゲは1.0のうち0.85、安値は30.4を割り込む。
- B、値幅31.25から32.3、実体31.3から31.4、上ヒゲは1.05のうち0.9、高値は32.0を上抜く。
- C、値幅30.2から31.15、実体30.95から31.05で陰線、下ヒゲは0.95のうち0.75、安値は30.4を割り込む。
- D、値幅30.2から31.3、実体30.85から30.9、下ヒゲは1.1のうち0.65、安値は30.4を割り込む。
- E、値幅30.7から31.6、実体31.45から31.55、下ヒゲは0.9のうち0.75、届く範囲に価格帯がない。
| ローソク足 | ヒゲが3分の2以上 | 実体が反対側の3分の1 | ヒゲが価格帯を抜く | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| A | 85%、合格 | 31.0から31.1、30.82より上:合格 | サポート30.4:合格 | 有効、強気 |
| B | 86%、合格 | 31.3から31.4、31.6より下:合格 | レジスタンス32.0:合格 | 有効、弱気 |
| C | 79%、合格 | 30.95から31.05、30.83より上:合格 | サポート30.4:合格 | 有効、強気、実体は陰線 |
| D | 59%、不合格 | 30.85から30.9、30.93より下:不合格 | サポート30.4:合格 | 無効、2つの条件が不合格 |
| E | 83%、合格 | 31.45から31.55、31.3より上:合格 | なし:不合格 | 無効、価格帯がない |
Cは始値より0.1安く引けていますが、それでも合格します。実体の色は3つの条件に入っていません。StockChartsはハンマーを白でも黒でもよいと説明しており、否定はヒゲに表れます。ヒゲはどちらの色でも同じに読めます。陽線であることを求めるフィルターは、条件が見ていない理由でCを捨てます。
Dは長い下ヒゲを持ちながら2つ落とします。59パーセントは3分の2に届かず、実体は30.93より下、つまり値幅の真ん中にあります。EはAと同じように測れます。ヒゲは83パーセント、実体は上3分の1。それでもノイズです。安値30.7はサポートより0.3上、高値31.6はレジスタンスより0.4下。何も抜いていないので、何も否定していません。
高値の上でエントリー、安値の下に損切り、そのうえで余地を測る
最も単純なピンバーの手法は、その足自身の両端を使います。強気の例なら、買いは高値31.9の0.05上、31.95の逆指値です。損切りは安値30.1の0.05下、30.05に置きます。1単位あたりのリスクは31.95から30.05を引いて1.9になります。
目標は、それ以前の4時間足のスイング高値35.75です。エントリーから3.8上で、3.8を1.9で割ると2.0。1を賭けて2を取る計画になります。直近のレジスタンスが33.5にあったなら、リワードは1.55、比率はおよそ0.8で、同じ有効な足でも注文を出す価値はありません。
始まる前にこのセットアップを壊す条件が2つあります。次の足が30.1を割って引ければ、安値は取られ、計測が何を示していたかに関係なく否定は失敗です。次の4時間足2本のうちに31.95へ届かなければ、注文は古くなっています。取り消します。同じ考えを32.4で追いかければ、損切りは同じまま2Rの計画が1.4Rの計画に変わります。
足の中値、ここでは31.0で入るトレーダーもいます。リスクは0.95に下がり、同じ目標なら比率は5.0に上がります。その代わり約定しないリスクを負います。31.0まで戻らなければトレードは成立せず、31.95の2R版はすでに走り出しています。エントリーの条件は1つ選び、次の足が始まる前に書き留めておきます。
このページはローソク足を判定し、ある1つの計画の計算を示します。注文を出すべきかどうかまでは示しません。
ピンバーとハンマー、同じ足に2つの呼び名の体系
サポートで出た強気のピンバーと、下落のあとのハンマー(カラカサ)は同じローソク足です。NisonのJapanese Candlestick Charting Techniquesは、その前に何があったかで形を呼び分けます。下落のあとの長い下ヒゲはハンマー、上昇のあとの同じ形は首吊り線、上昇のあとの長い上ヒゲは流れ星です。プライスアクションの語彙は1語で済ませ、名付けは価格帯に任せます。
計測も違います。StockChartsの強気転換のページは、実体の2倍以上の下ヒゲ、小さいかほとんどない上ヒゲ、そして確認を求めます。確認とは、窓を開けた上昇、長い陽線、出来高を伴う上昇のことです。3分の2の条件は形について厳しく、抜かれた価格帯が事前のトレンドの代わりになります。
弱気転換のページは、ピンバーの条件が暗黙に置いている確認を1つ足します。高値から安値までの値幅そのものが比較的大きいことです。4時間足がふだん1.2ほど動くチャートで値幅0.4の足は、どちらの比率も満たしながらほとんど何も語りません。ヒゲを判定する前に、直近10本から20本と値幅を比べます。
| ローソク足 | 長いヒゲ | 実体 | 名前の決まり方 |
|---|---|---|---|
| ピンバー | どちらの側でも、値幅の3分の2以上 | 小さく、反対側の3分の1に収まる | 形と、抜いた価格帯 |
| ハンマー | 下、実体の2倍以上 | 小さく、上寄り | 直前の下落 |
| 首吊り線 | 下、実体の2倍以上 | 小さく、上寄り | 直前の上昇 |
| 流れ星 | 上、実体の2倍以上 | 小さく、下寄り | 直前の上昇 |
| 十字線 | 長さは問わない | 始値と終値がほぼ同じ | 実体だけ |
呼び名は計測に何も足しません。ピンバーは、Nisonがハンマー、首吊り線、流れ星に分けた同じ系統に、プライスアクションの側が付けた名前です。チャートはどちらの語を使うかを気にしません。この語が隠しがちなのは、位置の条件のほうです。レンジの真ん中に出たピンバー、たとえばローソク足Eは、形のよいノイズにすぎず、語彙を変えてもそれは変わりません。
下ヒゲの2つの呼び名と、直前の動きがそれをどう分けるかは、ハンマーと首吊り線のガイドにあります。始値と終値がほぼ重なる足は十字線のガイドの領分です。長い下ヒゲを持つトンボはピンバーに近く、違いは実体にあります。
スクリーンショットではヒゲより先に価格帯を確かめる
サポートで出たピンバーは、そのサポートの質を超えません。先に価格帯を引き、そこで過去に何回反転したかを数えます。例では30.4を、同じ4時間足ですでに一度は機能していた価格帯として扱っています。1回しか触っていない線は推測です。サポートとレジスタンスのページで、スクリーンショットからどう読み、どう評価するかを説明しています。
ローソク足の区切りはプラットフォームで動きます。MetaTraderの業者はそれぞれのサーバー時間を持ち、多くの仮想通貨取引所は4時間足を00:00 UTCで区切ります。同じ動きが、あるチャートでは1本のピンバーとして、別のチャートではふつうの2本として表示されます。チャートのスクショのチェックリストにあるとおり、銘柄、時間足、読める価格軸を画像に残しておけば、ヒゲは推測ではなく計測できます。
自分のチャートでは、3つの数字を手で確かめます。ヒゲの割合、実体の位置、ヒゲが越えた価格帯です。TradeGPTは同じスクリーンショットを読み、重要な価格帯を強さの評価と現在値からの距離つきで示し、ローソク足のシグナルをパターンとシグナルに並べ、計画が成り立つ場合にはエントリー、損切り、利確、無効化の条件を示します。
まずサンプルレポートで各セクションの並びを確認し、それからチャートを分析します。口座残高や注文パネルは先に切り取ります。アップロードされるのは画像全体です。
ピンバーについてよくある質問
ピンバーとはどんなローソク足か
長いヒゲが片側に1本、小さい実体が値幅の反対の端に寄っていて、ヒゲが抜いた価格帯を終値が放棄している1本の足です。名前はプライスアクションの側から来ています。Nisonの語彙では、同じ形をハンマー、首吊り線、流れ星と呼びます。シグナルはヒゲそのものです。
有効なピンバーの見分け方
3つを測ります。ヒゲが高値から安値までの値幅の3分の2以上を占めること。実体が反対側の3分の1に収まること。足が出る前に引いてあった価格帯をヒゲが抜き、終値が反対側へ戻っていること。例では1.8のうち1.45で81パーセント、実体は31.3より上、安値は30.4を割り込んでいます。
ピンバーと十字線の違い
実体の大きさです。StockChartsの定義では十字線は始値と終値がほぼ等しく、買いと売りが互角で終わったことを示します。ピンバーは小さくても実体があり、例では値幅1.8に対して0.15、それが片端に押し付けられています。長いヒゲを持つ十字線も、抜いた価格帯で同じように判定します。
ピンバーは強気か弱気か
ヒゲが決めます。サポートを抜いてその上で引けた長い下ヒゲは強気のピンバーです。レジスタンスを抜いてその下で引けた長い上ヒゲは弱気のピンバーです。実体の色は二の次で、図のローソク足Cは陰線で引けながら有効な強気のシグナルと判定されます。
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出典と参考資料
参考資料は2026年8月24日時点で確認しています。
- StockCharts ChartSchool: Introduction to Candlesticks
- StockCharts ChartSchool: Candlestick Bullish Reversal Patterns
- StockCharts ChartSchool: Candlestick Bearish Reversal Patterns
- StockCharts ChartSchool: Candlestick Pattern Dictionary
- Steve Nison, Japanese Candlestick Charting Techniques, 2nd edition (Prentice Hall Press, 2001)